M 63(NGC 5055・銀河・りょうけん座)合併残痕と近傍銀河


M 63 (NGC 5055)(Galaxy・ Canes Venatici)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 180=95m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/14 + 04/25 + 05/13, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 77 ′ x 51 ′ ↑ N

M 63 (NGC 5055)(銀河)光度:9.3 mag, 直径:12.6′ x 7.2′, 分類:SA(rs)bc HII/LINER,  z 0.001614, LGG 347, RA 13h15m49.33s DEC +42d01m45.4s (J2000.0)
距離:約3,100万光年


M63の合併残痕・スターストリーム
今回は3日間分、合計95分の露出をしてM63の合併残痕、スターストリームの抽出を試みました。2011年に公表されたTaylor S. ChonisらによるM63の潮汐流の研究で指摘された恒星ストリーム候補(下図a〜g)は、すべて確認できました。


Fig 7 from A petal of the sunflower: photometry of the stellar tidal stream in the halo of Messier 63 (NGC 5055). CHONIS T.S., MARTINEZ-DELGADO D., GABANY R.J.et. al. 2011 AJ.
MDO 0.8m望遠鏡による測光特徴をG-MNS画像にa-hとして投影したもの。青矢印は主ループの幅を測定した位置、赤矢印は暗いd特徴の位置を示す。右中段画像は、MDOのRバンド、下段はG-NMSによる確認画像。上段はG-NMSの画像を極端な処理をせずに、ハローの内側の領域をより明確にしたもの。(G-NMS, Gralak’s New Mexico Skies 0.16 m Telescope . MDO, McDonald Observatory 0.8 m Telescope )

Chonisらによれば、g, h, UGCA 342 はスターストリームとは直接関係していない。a, b, eは連続する1つの巨大な潮汐流の突起であろう。西側の大きな構造Cは、銀河の腕の延長かもしれない。暗い構造dはより古い合併残痕かもしれない。fからSAO44528に伸びる暗いループ状構造は明るい恒星の影響で詳しくは調べられなかった。
また、これらの観測の中で降着した銀河の残骸と思われるものは検出できなかった、おそらく銀河の腕や濃いハロの明るさにまぎれて検出できなかったのだろう。としています。

M 63近傍の銀河


UGCA 337(銀河)光度:16.4g mag, 直径:0.8′ x 0.6′, 分類:Im:,  z 0.001765, RA 13h12m58.890s DEC +41d47m08.10s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N

距離:約3,300万光年の低表面輝度不規則銀河です。見かけの位置はM63からかなり離れてはいますが、その形状と赤方偏移値からM63の伴銀河と思われます。画像を見る限りでは、おそらく本体のスターストリームとは関連していないでしょう。


UGC 8313(銀河)光度:14.4g mag, 直径:1.9′ x 0.6′, 分類:SB(s)c? sp,  z 0.001977,  RA 13h13m53.87s DEC +42d12m31.0s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N

この銀河も、M63の伴銀河です。Chonisらによれば、銀河の位置と、その周辺には潮汐残骸がないので、M63の北東側のストリームに関連している可能性は低いとしています。が、今回撮像した画像からは、分子雲か画像処理のムラにまぎれてはっきりしませんがM63との間に淡い構造があるようにも見えます。


UGCA 342(銀河)光度:18.6g mag, 直径:1.6′ x 0.6′, 分類:Im,  z 0.001294,  RA 13 15 07.535 DEC +42 00 11.23 (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N

形状からは、引き延ばされてM63に降着しつつある伴銀河のように見えますが、残念ながらB-Rの色が恒星ストリームと極端に異なっているため伴銀河である可能性は低く、M63銀河腕の中にある凝縮部とされています。


UGC 8365(銀河)光度:15.2g mag, 直径:1.8′ x 0.5′, 分類:SB(s)d ,  z 0.004053,  LGG 346, RA 13h18m45.120s DEC +41d56m58.70s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N

LGG 346グループに所属する銀河とされ、M63と関連する銀河ではありません。棒構造が大きく偏心していて渦巻も乱れていることから何らかの重力干渉をうけたであろう姿をしています。

M63の濃いハローと羊毛状腕で構成されるディスクという構造は、しし座のNGC 3521銀河と大変よく似ています。小銀河の併合と羊毛状腕の形成は関連があるのかも知れません。今回撮像した画像は、引用論文の画像よりもかなり広い範囲をカバーしています。より適切なフラットフィールド補正が必要かも知れませんし、分子雲の影響も差し引かなければならないでしょうが、引用論文に指摘される構造よりもさらに外側に淡い構造が見えているようです。これは、今後のお題としておきましょう。

今回3日分の画像を合成しましたが、ドイツ式赤道儀の泣き所子午線を挟んで東西では視野の南北が反転することをすっかり失念して撮像していました。やむなく画像合成時には180度回転した画像を使用しましたが、あら不思議、フラットのムラと思われるものが平均化されてより淡い構造を抽出できたようです。けがの功名ですね。その代償として恒星像は望遠鏡補正レンズの収差を反映して間延びしてしまいました。

NGC 3521の記事でも述べたように、このように淡く広がった構造は、小口径で広視野の望遠鏡の良い対象となります。実際、引用論文中で使用されたG-NMS(Gralak’s New Mexico Skies.)望遠鏡は、口径わずかに16cmの屈折望遠鏡で市販の冷却CCDカメラとの組み合わせで撮像されたものでした。アマチュアの小口径望遠鏡でも新たな恒星ストリーム検出の可能性は十分ありえるでしょう。


りょうけん座  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/25, +5.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

カテゴリー: NGC天体, 星空観望 | タグ: , , , , | コメントをどうぞ

アトラス彗星 (C/2020 M3) 2020/10/20


Comet ATLAS (C/2020 M3)
BKP300 1500mm f5, MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s(modification),,  ISO12800, 30s x 23=12分, TS NJP, temmaPC, α-SGRIII, +5.0°C, 2020/10/20, 01h51m JST. , Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N

予想外に急増光して明るくなってます。8等ぐらい。今はうさぎ座の足下、11月オリオン座を登って12月ぎょしゃ座に達し、日本からは見やすい位置に来ます。さらに明るくなってくれると嬉しいのですが、典型的な急増光した小さな彗星らしい姿をしているので、難しそうです。

 

 

カテゴリー: 彗星 | タグ: , , , , | コメントをどうぞ

NGC 4800(銀河・りょうけん座)


NGC 4800(Galaxy・ Canes Venatici)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=12m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/14, 23h 32m, -1.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N


NGC 4800(銀河)光度:12.3 mag, 直径:1.6′ x 1.2′, 分類:SA(rs)b HII,  z 0.002972,  MRK 0439, RA 12h54m37.796s DEC +46d31m52.16s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N

NGC 4369は、小さいけれどHIIの活動銀河核を持ち中央部が明るく輝く渦状銀河です。天の川銀河から距離は約4,800万光年〜約9,500万光年と出典によってかなり幅があります。グループを形成しているのかどうかもはっきりしません。

弱い内輪(rs)は、「超小型核リング」を形成する二重のリングとなっており、赤外線で見ると弱い棒構造があることがわかりました(つまりSAではなくSB)。この辺の事情はこの研究 (Discovery of ultra-compact nuclear rings in three spiral galaxies. COMERON S., KNAPEN J.H., BECKMAN J.E.et. al. 2008 A&A)にわかりやすくまとめられているので、下記にその一部NGC 4800の項目を要約して転載します。

NGC 4800 は 距離=15.2 Mpc の SAb 銀河である (Tully 1988)。紫外画像とHα画像には、環核帯に二重リング構造が見られます。この2つのリングの内側のリングは、半径が30pc程度しかなく、明るい核(HII核に分類される)に非常に近く、淡く、パッチ状になっています。外側のリングは、半径がおよそ130pcで、より明るく、より広くなっています。

塵の痕跡が周囲の一部を覆っています。構造図を見ると、ダストが大きなリングの外縁まで内側に渦巻いていることがわかります。輪の間に構造がないことは、ダストが秩序を持っていないことを示唆しています。

NGC4800の2MASS近赤外画像を解析したところ、棒の無い渦巻き銀河(SA)に分類されているものの、約35秒の半長軸を持つ弱い棒構造(円盤よりも0.2倍高い楕円度を持つ)が存在していることがわかりました。NGC4800 は指数関数的な「バルジ」(Andredakis & Sanders 1994)を持っていることから、この銀河の中心部には棒構造に起因する原動力が存在すると考えられています。

UCNR(超小型核リング)の測光分析から、ダストによって非常に見えにくくなっている可能性が高いことがわかりました。このようなダストによる隠蔽は、Hαでは2等級以上の大きさであると考えられ、NGC4800のUCNRの場合は特に重要であると考えられます。


りょうけん座  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/25, +5.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

カテゴリー: NGC天体, 星空観望 | タグ: , , , , | コメントをどうぞ

M 94(NGC 4736・銀河・りょうけん座)


M 94 (NGC 4736)(Galaxy・ Canes Venatici)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 45=23m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/15  -1.0℃ + 04/25 +5.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N


M 94 (NGC 4736)(銀河)光度:9.0 mag, 直径:11.2′ x 9.1′, 分類:(R)SA(r)ab;Sy2 LINER,  z 0.001027, LGG 290, RA 12h50m53.061s DEC +41d07m13.65s (J2000.0)
視野角: 約19′ x 13’ ↑N

M 94までの地球からの距離は、銀河の表面輝度変動の距離測定を使用した距離では、1,700万±140万光年(5.2±0.4 Mpc)。ハッブル宇宙望遠鏡の観測でM 94内部の恒星を使用した推定距離は1,500万±200万光年(4.7±0.6 Mpc)。赤方偏位値からは、2,400万光年。現在はおおよそ1,600万光年とする場合が多数です。

形態分類では、外部リング、内部リングを持つ渦状銀河で、セイファート銀河、ライナー銀河の活動銀河核を持つ、とされてきました。従来は外部のリングは分離した閉じた恒星集団の輪と考えられていましたが、それは可視光で観測している従来の観測手法での錯覚であり近年の多波長での観測ではディスクに見える銀河の腕と繫がる2本の螺旋の腕であることが判明しました。(つまり疑似リング)。この最外周の腕では活発に星が形成されていることも観測されています。従来外部リングの形成は他銀河との併合によるものと考えられていましたが、内部リングの楕円形のひずみが寄与したとする理論も提唱されています。

もう一方の非常に明るく輝く内部リングは1000万年未満以前に起こったスターバーストで形成されたスターバーストリングであり、激しい星形成活動​​の場所です。リングの周囲には若い青い恒星クラスターが多数含まれています。

(参照:特にこのサイトが詳しい→https://www.messier-objects.com/messier-94-cats-eye-galaxy/, WikiPedia英語版→https://en.wikipedia.org/wiki/Messier_94, WikiPedia日本語版の個別銀河の記事は、内容が浅くて古いので英語版を参照することをお勧めします。)

外部(疑似)リングを持ち活動銀河核を持つM94の構造や外観は、前出NGC 4369と大変よく似ています。同様の外観を持つ銀河は多数存在しますが、それらの形成に外部的な要因(他銀河の併合)を完全に排除するのは難しいのではないかな?と思います。

M94は、16から24個の銀河を含むM94銀河グループの代表銀河とされています。がしかし、ほとんどのグループのメンバーが重力的にM94に拘束されているようには動いておらず、はたしてそのような集団をグループと呼んで良いものかどうか?です。比較的近い距離にあるおとめ座超銀河団内の銀河グループの分類は、銀河の固有運動などの影響が大きく距離と位置がなかなか正確には決められません。そのため所属メンバーはカタログによってかなり異なります。

今回の画像は、2日分のデータと5秒露出データを合成しました。しかし明るい核近傍は露出オーバーでした。それでも銀河円盤面の渦状構造は、多少鮮明になった気がします。


りょうけん座  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/25, +5.0℃, 東御市・観測所 ↑N

smc Pentax DA*50-135mm f2.8 レンズは、開放では中央付近はシャープですが周辺の星像悪化が激しく口コミ評価もぱっとしません。しかし、f4.0より絞ると見違えるようにシャープな星像を結んでくれます。Tamron 70-200 f2.8 LD(UDより1世代前のタイプ)は、絞っても色収差がわずかに残り画面はフラットですが星像に少し色がつきます。DA*50-135mm f2.8は、f2.8開放の明るさが必須でなければPentaxユーザーにはお勧めの天体用レンズです。

 

 

 

カテゴリー: NGC天体, 星空観望 | タグ: , , , , | コメントをどうぞ

NGC 4369(銀河・りょうけん座)


NGC 4369(Galaxy・ Canes Venatici)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=12m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/15, 00h 42m, -1.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N


NGC 4369(銀河)光度:12.3 mag, 直径:2.0′ x 2.1′, 分類:(R)SA(rs)a HII,  z 0.003486,  MRK 0439, RA 12h24m36.20s DEC +39d22m58.8s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N

NGC 4369は、天の川銀河から約6,000万光年の距離にある渦状銀河です。渦状銀河に分類されてはいますが、一見すると楕円銀河レンズ状銀河の特徴も併せ持っていて、従来の分類では分類するのが難しい銀河です。銀河の核周囲は非常に輝度が高く、紫外線超過銀河マルカリアン銀河カタログMrk 439番であり、現在スターバーストを起こしている銀河でもあります。詳細に見ると淡い渦状構造が外側のリング構造(R)と繫がっていて、核周辺には明るい棒構造のようなもの、輝く点がいくつか見えています。


上記の図は、NGC 4369(Mrk 439)の研究 (Star formation along a misaligned bar in the peculiar starburst galaxy Mkn 439. CHITRE A., JOSHI U.C., GANESH S. 1999 A&A )に掲載されている核近傍のB-Hカラーマップです。

この研究を要約すると、
銀河の中心部には、青い塊からなる棒状の構造が見られます。渦巻き状の腕が核領域から始まり、東側に向かってカーブしています。スポット1とスポット2の両端には、はっきりとした青い塊があります。もう一つの青い領域(スポット3)は スポット1の南側約8″の位置に見られます。Mkn 439の等値線は、光学的、近赤外、ライン発光では異なって見え、これらの様々な集団の分布が空間的に分離されていることを示しています。

銀河のガス成分は、ポテンシャルの影響を受けて、ガスが棒状に分布しているように見えます。このガスバー内のガスが圧縮されることで、若い星や大質量星が形成され、それがガスバーに沿って塊状のHII領域となって現れています。青い螺旋状の腕のようなものにはHII領域が見られません。これは、青色の渦巻き腕が中間年代の恒星集団から構成されていることを示しています。中心部に分子性ガスバーを持つ銀河の例としては、NGC253やM83などがあります。

結論として、以下のようにまとめています。
1、Mkn 439 は、3 つの異なる構成要素からなる特異な銀河です。 内側に楕円形の構造、その構造が埋め込まれた滑らかな外周、そして棒状構造です。この棒構造に沿って大質量の星が形成されていることがわかりました。この棒構造は銀河本体とはずれています。
2、棒構造の特徴は、波長が長くなるにつれて徐々に弱くなります。
3、この棒構造の中の星はまだ若く、近赤外領域の光に影響を与え始めていません。このことは、最近になってこの棒構造が形成され、棒構造に沿ってスターバーストが起きたきっかけとなった、何らかの摂動があったことを示しています。(訳注:おそらく質量の異なる螺旋銀河の合体)
4、銀河の内部には、ダストが存在していることを示唆するものがあります。

この研究はNGC 4369の特異な外観と構造をうまく説明できているように思います。

この銀河では、Type Icの超新星SN 2005klが14.9等で発見されています。


りょうけん座  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/25, +5.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

カテゴリー: NGC天体, 星空観望 | タグ: , , , , | コメントをどうぞ

NGC 4242(銀河・りょうけん座)


NGC 4242(Galaxy・ Canes Venatici)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=12m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/14, 23h 53m, -1.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N


NGC 4242(銀河)光度:11.2B mag, 直径:5.0′ x 3.8′, 分類:SAB(s)dm,  z 0.001688,  LGG 290, RA 12h17m30.177s DEC +45d37m09.47s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N

NGC 4242は、天の川銀河から約3,000万光年の距離にある表面輝度の低い形のはっきりしない中間渦巻銀河です。見かけの位置は離れていますが、M106と赤方偏移値が近いために実距離が近い伴星雲である可能性も指摘されているようです。

NGC 4242の中心部には、恒星状の非常に小さいおそらくむき出しの核が見えています。低輝度で拡散した銀河では、核の周りの星形成率も、銀河の中心重力ポテンシャルも低く、ダストの量も少なく、このような「裸の」核が存在する場合があるようです。(WFPC2 observations of compact star cluster nuclei in low-luminosity spiral galaxies. MATTHEWS L.D., GALLAGHER J.S.III, KRIST J.E.et. al. 1999AJ)
裸の核は上の写真でも判別できますが、ハッブルの画像を見るとよくわかります。

低輝度で星形成率も低いこの銀河に、超新星 SN 2002buが発見され最大光度15.5等まで明るくなりました。Type IIの超新星として分類されましたが、擬似的超新星、爆発時には光度が8000万倍も上がる高温な青色超巨星の変光星であった疑いが現在かけられています。


りょうけん座〜おおぐま座境界、M106付近。  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/05/13, +6.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

カテゴリー: NGC天体, 星空観望 | タグ: , , , , | コメントをどうぞ

M 106(NGC 4258・銀河・りょうけん座)近傍の銀河


M 106 (NGC 4258)(Galaxy・ Canes Venatici)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 90=45m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/05/13+2020/04/25, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 77 ′ x 51 ′ ↑ N

M 106 (NGC 4258)(銀河)光度:8.4V mag, 直径:18.6′ x 7.2′, 分類:SAB(s)bc;LINER Sy1.9,  z 0.001494, LGG 290, RA 12h18m57.5046s DEC +47d18m14.303s (J2000.0)
距離 : 2,900万光年

M 106銀河の近傍にある小銀河からM106の伴銀河の可能性のありそうな物をピックアップしてみました。


NGC 4248(銀河)光度:13.2g mag, 直径:2.9′ x 0.9′, 分類:I0 sp HII,  z 0.001614,   LGG 290, RA 12h17m49.847s DEC +47d24m33.11s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N
距離 : 3,100万光年

LGG 290 (M106)グループに所属し、赤方偏移値からもM106の伴銀河に間違いないでしょう。M106の北側外縁部のディスクが乱れているのはおそらくこの銀河との重力干渉の結果でしょう。形態分類は不規則レンズ状とされていて、ハッブルの画像を見るとダストの帯にかつては渦状銀河であった痕跡が残っているようです。


UGC 7356(銀河)光度:17. mag, 直径:0.9′ x 0.9′, 分類:dE; N,  z 0.000907,  LGG 290, RA 12h19m09.390s DEC +47d05m27.50s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N
距離 : 2,100万光年

M106の南側に見える淡い小銀河です。これもデータから判断するとM106の伴銀河でしょう。SDSS等の画像を見てもほとんど構造が見えません。M31の小伴星雲NGC 147のようにすでに星間物質が枯渇した銀河かも知れません。


NGC 4217(銀河)光度:12.0 mag, 直径:5.2′ x 1.5′, 分類:SAb sp HII,  z 0.003426,  UMa Cluster, LGG 258, RA 12h15m50.90s DEC +47d05m30.4s (J2000.0)
視野角: 約12′ x 8’ ↑N

距離 : 5,500万光年

M106に隠れて目立ちませんが、大きく明るい銀河です。英語版Wikipediaでは、M106の伴星雲である可能性があるとしています。がしかし、データや画像からはその可能性は低いと思います。


NGC 4226(銀河)光度:14.4 mag, 直径:1.3′ x 0.6′, 分類:Sa pec?,  z 0.024220, RA 12h16m26.283s DEC +47d01m30.68s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N

距離 : 3億2,800万光年

NEDでは形態分類ではpec?(普通ではないかも?)とされている銀河です。電波銀河にも分類されているので核近傍にはブラックホールが存在するのかもしれません。超新星 SN 2008bn が発見されています。


NGC 4231(銀河)光度:14.3g mag, 直径:1.0′ x 0.8′, 分類:SA0+ pec?,  z 0.024687,  RA 12h16m48.868s DEC +47d27m26.59s (J2000.0)
距離 : 3億3,400万光年

NGC 4232(銀河)光度:14.2g mag, 直径:1.3′ x 0.6′, 分類:SBb pec:,  z 0.024202,  RA 12h16m49.028s DEC +47d26m19.69s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N
距離 : 3億2,800万光年

おそらく2つの銀河の重力干渉のために外観に変形が見える銀河です。見かけの位置は離れていますがNGC 4226を含む3つの銀河は、6個の銀河を含む[CHM2007] LDC 877銀河グループのメンバーです。これらの銀河までの距離は3億光年以上ありますからもちろんM106のグループでも伴星雲でもありません。


領域A、視野角: 約8′ x 5’ ↑N

A1=SDSSJ121733.72+473306.8 (銀河)光度:16.8g mag, 直径:–, 分類:–,  z 0.025, 距離 : 3億3,000万光年
赤方偏移の値からは、[CHM2007] LDC 877グループの可能性があります。それほど小さく暗い銀河ではありませんが、PGCナンバーはありません。

A2=LEDA 2299122(銀河, BCG)光度:19.3g mag, 直径:0.15′ x 0.11′, 分類:BrClG,  z 0.273229, 距離 : 30億6,100万光年

A3=LEDA 2299019(銀河, BCG)光度:19.3g mag, 直径:0.15′ x 0.09′, 分類:–,  z 0.268252, 距離 : 30億1,500万光年

ClG J1217+4730 — (銀河団) 光度:– mag, 直径:12′, 分類: Medium compact [Zw] ,  銀河数:87個, 距離クラス:–
A2, A3はともにこの銀河団に所属する銀河で、およそ30億光年の距離にある87個の銀河を含む銀河団です。


領域B、視野角: 約8′ x 5’ ↑N

B1=SDSS J121820.44+470751.7 (銀河)光度:17.6g mag, 直径:–, 分類:–,  z  0.019, 距離 : 2億5,000万光年


領域C、視野角: 約8′ x 5’ ↑N

C1=SDSS J121938.81+472821.5 (銀河)光度:21.1g mag, 直径:–, 分類:–,  z  0.333, 距離 : 37億4,000万光年

C2=SDSSCGB 42839 (小銀河グループ)光度:19.0mag, 直径:–, 分類:– ,  銀河数:4個, 距離 : 35億2,000万光年

C1のデータはおかしいですね。同定ミスか?。C1から北側の明るい恒星に向かって微小銀河が連なっているように見えますが銀河、銀河団のデータはありません。


領域D、視野角: 約8′ x 5’ ↑N

D1=SDSS J122022.53+470632.9(銀河)光度:17.8g mag, 直径:0.38′ x 0.13′, 分類:–,  z  0.066667, 距離 : 8億6,000万光年

D2=MaNGA 01-282114(銀河)光度:17.0g mag, 直径:0.33′ x 0.26′, 分類:–,  z  0.112693, 距離 : 14億500万光年

円形に連なる微小銀河の集団だと思われますが、銀河、銀河団のデータはD1, D2以外にはありません。形状と明るさから判断してD1もD2も背景の微小銀河よりかなり手前の銀河でしょう。


領域E、視野角: 約8′ x 5’ ↑N

E1=LEDA 166131 (低表面輝度銀河)光度:17.5 mag, 直径:0.5′ x 0.5′, 分類:–,  z(~) 0.001502, 距離 : 2,000万光年

おそらく無構造の低表面輝度銀河で、UGC 7356同様M106の小さな伴銀河の可能性があります。

E2=SDSS J122034.37+465854.3(クエーサー)光度:21.0g mag, 直径:0.05′ x 0.04′, 分類:QSO,  z  2.315000, 距離 : 距離 : 104億5,000万光年

QSOは、M106の視野中にたくさんありますが、たまたまこの領域E視野中にあったクエーサーです。距離およそ100億光年!桁違いに遠いです。


りょうけん座〜おおぐま座境界、M106付近。  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/05/13, +6.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

カテゴリー: NGC天体, 星空観望 | タグ: , , , , | コメントをどうぞ

NGC 4138(銀河・りょうけん座)


NGC 4138(Galaxy・ Canes Venatici)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=12m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/15, 00h 27m, -1.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N


NGC 4138(銀河)光度:12.2 mag, 直径:2.6′ x 1.7′, 分類:SA(r)0+ Sy1.9,  z 0.002962,  UMa Cluster, LGG 269, RA 12h09m29.780s DEC +43d41m07.10s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N

NGC 4138は、天の川銀河から約5,000万光年の距離にあるレンズ状銀河です。レンズ状銀河に分類されてはいますが、画像を見てもわかるようにダストの帯の渦巻構造が中心部を取り囲むように見えている渦状構造を持つレンズ状銀河です。明るい中心核、活動銀河核を持つセイファート銀河であり、強い電波源([BGP2012] NGC 4138 W)が核付近に存在しています。

この銀河には、2つの逆回転する円盤が存在することが知られています。数値シミレーションによって逆行軌道上で外部からガスが降下したか、ガスが豊富な矮小銀河と逆行合体した可能性が示されていました。

これら2つの逆行回転円盤中の恒星をスペクトル観測することによって、これらの星が主星成分よりも若くわずかに金属欠乏してることが示されました。逆回転円盤が棒構造の分解によって形成されたという可能性は否定され、ガスの豊富な矮小銀河の逆行合体によることを裏付けたとされています。(The difference in age of the two counter-rotating stellar disks of the spiral galaxy NGC 4138. PIZZELLA A., MORELLI L., CORSINI E.M.et. al. 2014 A&A)

NGC 4138では、超新星の発見はありませんが、ごく近傍にある無名銀河 Anon J120939+4340(画像中の円マーク)に、SN 2009me が18等で発見されています。この銀河までの距離は赤方偏移データがないので不明です。


りょうけん座〜おおぐま座境界、M106付近。  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/05/13, +6.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

カテゴリー: NGC天体, 星空観望 | タグ: , , , , | コメントをどうぞ

NGC 3511, NGC 3513(銀河・コップ座)


NGC 3511, NGC 3513(Pair of Galaxies・ Crater)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=12m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/02/23, 23h 45m, -2.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N


NGC 3511(銀河)光度:11.5 mag, 直径:5.8′ x 2.0′, 分類:SAB(s)c;HII Sy1 ,  z 0.003699,  RA 11h03m23.77s DEC -23d05m12.4s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N

天の川銀河から約6,500万光年(NED)の距離にある中間渦巻銀河で、同じ視野内に見えるNGC 3513とペアを組む銀河とされています。NEDのデータによれば、NGC 3513までの距離は約6,900万光年とされているので物理的に干渉を起こすほどの距離にはないのでしょう。

NGC 3511の腕は恒星の集団が不連続に続く不鮮明な羊毛状腕のように見えます。また、銀河の北側には短いらせん状の腕の断片?のようなものと、淡い構造が見えているようです。


パンスターズ望遠鏡のカラー画像を見ると、銀河の北側には線状の構造が複数あることがわかります。これらは、伴銀河を吸収した残痕なのか銀河の腕の一部なのかはっきりしません。銀河の腕がこのような形になる例は見たことがないのでおそらく、合併残痕のスターストリームなのではないかと思います。これらの構造が北側だけに見えているのは、この銀河の傾斜角が推定70度と高いために南側が見えていないためでしょう。南に低く、条件良く観測できることが少ない対象ですが、長時間露出で確かめてみたい対象です。


NGC 3513(銀河)光度:11.9 mag, 直径:2.8′ x 2.2′, 分類:SB(s)c HII
,  z 0.003983,  RA 11h03m46.08s DEC -23d14m43.8s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N

ペアのもう一方であるNGC 3513は、フェースオンの典型的棒渦状銀河です。腕の中には多数の星団雲が存在し北西側では(おそらく近接する伴銀河によって)やや乱れた形状をしています。

どちらの銀河までの距離も不確定で、出典によって4,500万光年〜6,500万光年の幅があります。


コップ座〜うみへび座 境界付近  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f3.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/02/23, -2.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

カテゴリー: NGC天体, 星空観望 | タグ: , , , , | コメントをどうぞ

NGC 4100(銀河・おおぐま座)


NGC 4100(Galaxy・UMa)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=12m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/21, 02h 07m, +0.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N


NGC 4100(銀河)光度:11.9 mag, 直径:5.4′ x 1.8′, 分類:(R’)SA(rs)bc HII ,  z 0.003584, LGG 258, UMa Cluster, RA 12h06m08.453s DEC +49d34m57.67s (J2000.0)
視野角: 約12′ x 8’ ↑N

おおぐま座銀河団、LGG 258 M109グループに所属する擬似的外部リング(腕の延長)が見える渦状銀河です。際だった特徴がないせいか、研究対象となることも少ないようです。

平凡な渦巻銀河なのですが、なぜかハッブルの画像を合成カラー化する作業はされていてNASAのFacebookには今年(2020年5月)掲載されました。ESAに掲載された画像はこちらです。 お題は「引き延ばされた渦巻」だそうで、物理的に引き延ばされたかのような誤解を招きそうですね〜。NASA/ESA広報部門は予算獲得のために一般向けアピールもしなければならず苦労の多いことでしょう。貴重なデータを公開、それを参照できるのはとてもありがたいことです、この場を借りて御礼申し上げます。


おおぐま座γ星付近  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/20, +0.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

カテゴリー: NGC天体, 星空観望 | タグ: , , , , | コメントをどうぞ

NGC 4088, NGC 4085(銀河・おおぐま座)


NGC 4088, NGC 4085(Galaxy・UMa)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=12m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/15, 00h 10m, -1.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N

長時間露出で撮影する予定が、眠気でボーとしていて短い露出で撮影してしまったため画像は2017年の投稿とあまり変化ありません。寄る年波には勝てず、そろそろ撮影の完全自動化に着手したいです。


NGC 4088(銀河)光度:11.2 mag, 直径:5.8′ x 2.2′, 分類:SAB(rs)bc HII ,  z 0.002524, Arp 018, LGG 258, RA 12h05m34.19s DEC +50d32m20.5s (J2000.0)

Arp 特異銀河カタログでの番号はArp 018番、切り離された銀河腕のカテゴリーに含まれます。NGC 4085と干渉するペアとされますが、現在でも(過去にも)重力的に干渉していたのかどうかはわかっていません。大きなグループでは、LGG 258, M109 (NGC 3992)グループに所属するとされていますが、これもカタログによってはNGC 4088, 4085 を中心とするもっと小さなグループに分類されています。


この銀河には、超高輝度X線源(ULX)が、銀河の腕の中に存在しています。上記の図は、NGC 4088のX線源とULXの位置を示すもので、チャンドラおよびスィフトX線観測衛星による最新の研究によるものです。(Revealing the nature of the ULX and X-ray population of the spiral galaxy NGC 4088. MEZCUA M., al. 2014 ApJ )

ULXは、銀河核から離れた位置にありながら、恒星のエディントン光限界を超える明るさを持つ天体です。ULXの候補は多数検出されましたが、チャンドラ等の観測によりそのほとんどがバックグランドのクエーサーや銀河核であることがわかり、真のULX候補は非常に少ない(今のところ一桁、天の川銀河には無い)ことが判明しています。NGC 4088は、数少ない真のULX候補を持つ銀河の一つです。(参照:A catalogue of ultra-luminous X-ray source coincidences with FIRST radio sources. 2006 A&A)

ULXの構造は未解明ですが、有力な仮説として太陽の数百倍〜数千倍程度の質量を持つ、中質量ブラックホール(IMBH)によるものとするものがあります。MEZCUA M.によれば。超巨大ブラックホールが存在する可能性が無い場所にあるNGC 4088のULX候補は、明るいHII領域の中にあり、高質量X線連星群の中にある恒星残骸ブラックホールに、ロッシュローブオーバーフローによって物質が供給され、超巨大エディントン超発光が起きている状態にあると結論づけています。

ULXが存在するという、明るいHII領域は我々の小口径の可視光画像からも同定できるようです。


NGC 4085
(銀河)光度:12.9 mag, 直径:2.8′ x 0.8′, 分類:SAB(s)c:? HII ,  z 0.002487, LGG 258, RA 12h05m22.710s DEC +50d21m10.63s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N

次回は忘れずに長時間露出を実施したいです。


おおぐま座γ星付近  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/20, +0.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

カテゴリー: NGC天体, 星空観望 | タグ: , , | コメントをどうぞ

M 109(NGC 3992・銀河・おおぐま座)


M 109 (NGC 3992)(Galaxy・UMa)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 45=23m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/21, 01h 38m, +0.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N


M 109 (NGC 3992)(銀河)光度:10.6 mag, 直径:7.6′ x 4.7′, 分類:SB(rs)bc;LINER HII ,  z 0.003496, LGG 258, UMa Cluster, RA 11h57m35.98s DEC +53d22m28.3s (J2000.0)
視野角:19′ x 13′ ↑N

M109は、天の川銀河からの距離約5,500万光年(この距離データはあまりあてになりません。おなじNEDの中に8,300+-2,400万光年というデータもあります。)の位置にある、大型の棒渦状銀河です。見かけの位置は、おおぐま座γ星フェクダから南東40分の位置にあります。

この銀河には中心部に中性水素の分布の穴があることが観測されています。
棒構造の別々の部分を測定した分光データからは、傾斜角57度では中心から1000光年の位置で、回転速度22Km/s という値が観測されています。このような速い棒構造の回転速度は、ハロの中のダークマターと棒構造が強い摩擦を棒構造の中の内部で起こしていることを示します。そのために中心ではダークマターの供給不足が、球というより環のような形で起きているはずです。電波観測での中性水素ガスの観測では、棒構造の中にほとんど中性水素は発見されずこの環構造がおおむね肯定されました。(参照:The Cambridge Photographic Atlas of Galaxies. M109 )

M 109は、M 109銀河グループとして知られる大きな銀河グループの中心銀河とされます。


M109 (NGC 3992) 近傍の銀河

銀河グループをM109の近傍から見ていくと、本体の南から西にかけて、PGC 37553(UGC 6923, z 0.00350)、PGC 37621(UGC 6940, z 0.003432)、PGC 37700(UGC 6969, z 0.003706)があり、これらはM109の伴星雲とされています。PGC 2438633は赤方偏移の値がかなり大きいので伴星雲ではなさそうです。その他周囲には微少な銀河が多数存在しますが確実にM109グループで伴星雲とされる物は上記の3つです。


M109 (NGC 3992) 周辺の銀河
タカハシFSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70(改造)、HEUIB-II, ISO3200, 90s x 16= 24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/20, 東御市・観測所
視野角:4.2° x 2.8° ↑N(広角カメラ)

M109の銀河グループは、カタログによってそのメンバー数は50個〜70個とまちまちで確定していません。これらの銀河を南群、北群の2つの別々の銀河群に分類している場合もあります( P. Fouque. 1992)。どのカタログにも掲載されているNGC番号を持つ銀河は、NGC 3718, 3726, 3729, 3769, 3782, 3870, 3877, 3893, 3913, 3917, 3922, 3928, 3949, 3953, 3972, 3982,4010, 4026, 4085, 4088, 4100, 4102, 4142, 4157,です。

いままでに発見された超新星は1個だけで、SN 1956A です。

この銀河の過去の投稿はこちら


おおぐま座γ星付近  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/20, +0.0℃, 東御市・観測所 ↑N

おまけ


γ UMaのゴースト
3月に撮影した画像を処理をしていると、M109を貫くように淡い線状の構造が写っていました。スターストリームがこんなに長いわけはなく、高緯度分子雲でもなさそうです。同時撮影している広角カメラには写っていない(確認できない)のでγ UMaのゴーストだろうと判断しましたが後日確認してみました。


M 109 (NGC 3992), C/2017 T2(Galaxy・Comet・UMa)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 45=23m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/06/16, 21h 39m, +14.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 77 ′ x 51 ′ ↑ N

確認画像がこちら、ちょうど明るくなったパンスターズ彗星C/2017 T2が同じ視野にいました。この画像にはM109を貫くような物は見えず、右上の端にあるγUMaの(HEUIBフィルターの)ゴーストは今度は彗星の頭上に赤いひも状に現れていました。

 

 

 

カテゴリー: NGC天体, 星空観望 | タグ: , , , , | コメントをどうぞ

NGC 3963, NGC 3958, UGC 6912(銀河・おおぐま座)


NGC 3963, NGC 3958, UGC 6912(PGC 37504)(Galaxy・UMa)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=12m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/21, 01h 20m, +0.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N


NGC 3963(銀河)光度:11.6 mag, 直径:1.9′ x 1.6′, 分類:SAB(rs)bc ,  z 0.01063, LGG 251, RA 11h54m58.711s DEC +58d29m37.09s (J2000.0)


NGC 3958
(銀河)
光度:12.3 mag, 直径:1.7′ x 0.7′, 分類:SAB(rs)bc ,  z 0.011231, LGG 251, RA 11h54m33.679s DEC +58d22m01.33s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N

NGC 3963とNGC 3958は、約1億5千万光年の距離にあるLGG 251銀河グループのメンバーです。NGC 3963はLGG 251の代表銀河で、銀河グループはNGC 3770, NGC 3809, UGC 6732, NGC 3894, NGC 3895, NGC 3958, NGC 3963で構成されるとされています。

NGC 3963では、超新星 SN 1997ei が日本の青木さんによって発見されています。


UGC 6912(PGC 37504)(銀河)光度:14.2B mag, 直径:2.1′ x 1.0′, 分類:S?,  z 0.004493, RA 11h56m14.450s DEC +58d11m48.70s  (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N

約6,700万光年の距離にあるおそらく青い不規則銀河(NEDではS?)です。青い星団雲が銀河の中にいくつか見え北側の明るい塊と南側の暗い塊はスターストリームで繫がっているように見えます。銀河を形成し始めてまもない姿かもしれません。

UGC 6912の南側にある8等星の恒星HD 103643の伴星?が分離して見えているようです。冬の機材調整の成果で等倍でもそれなりに見られる画像となり喜ばしい。


おおぐま座γ星付近  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/20, +0.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

カテゴリー: NGC天体, 星空観望 | タグ: , , , , | コメントをどうぞ

NGC 3718, NGC 3729(銀河・おおぐま座)


NGC 3718 (Arp 214), NGC 3729, Arp 322Galaxy UMa
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 45=22m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/01/22, 02h 01m, -6.0Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N

NGC 3718 (Arp 214)(銀河)光度:11.6 mag, 直径:8.1′ x 4.0′, 分類:SB(s)a pec;Sy1 LINER ,  z 0.003312, LGG 241, RA 11h32m34.8530s DEC +53d04m04.518s (J2000.0)
視野角: 19′ x 13’↑N


NGC 3729(銀河)光度:12.0 mag, 直径:2.8′ x 1.9′, 分類:SB(r)a pec ,  z 0.003536, LGG 241, RA 11h33m49.324s DEC +53d07m31.99s  (J2000.0)
視野角: 12′ x 8’↑N

NGC 3718とNGC 3729は、重力干渉をしている(していた)銀河のペアです。おそらく、NGC 3729が弾丸の弾のようにNGC 3728を接近通過した姿と考えられています。この辺の事情は過去の投稿をご参照下さい。

2つの銀河は地球からおよそ約5,000万光年の距離にあり、おおぐま座銀河団のメンバーです。LGG カタログではLGG 241グループ、NGC 3631, UGC 6446, NGC 3718, NGC 3729, NGC 3913, NGC 3972, NGC 3998, UGC 6816, UGC 6251, NGC 3657 の10個の銀河グループに所属するとされます。

Arp 322 = HCG(ヒクソン・コンパクト・グループ) 56 で NGC 3718の下に見える4つの銀河でおよそ4億光年の距離にあります。超新星SN 2002bnがこのグループの銀河UGC 6527で発見されています。

NGC 3718の南北に伸びるねじれた腕は、多数のHII領域も発見されていてもう少し青いようです。露出不足のようで色までは出ませんでした。次回のお題としておきましょう。


おおぐま座γ星付近  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/20, +0.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

カテゴリー: NGC天体, 星空観望 | タグ: , , , , | コメントをどうぞ

IC 712, IC 708, IC 709(銀河・おおぐま座)


IC 712, IC 708, Abell 1314(Galaxy cluster・UMa)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=12m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/01/22, 01h 45m, -6.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N



IC 712(銀河)光度:12.9 mag, 直径:1.4′ x 0.8′, 分類:S?;BrClG ,  z 0.033553, Abell 1314, RA 11h34m49.306s DEC +49d04m39.72s (J2000.0)

IC 708(銀河)光度:12.8 mag, 直径:1.4′ x 0.9′, 分類:E ,  z 0.03168, Abell 1314

IC 709(銀河)光度:13.6 mag, 直径:0.8′ x 0.7′, 分類:E? ,  z 0.031732, Abell 1314

IC 711(銀河)光度:13.6 mag, 直径:0.3′ x 0.3′, 分類:E? ,  z 0.03244, Abell 1314
視野角: 約19′ x 13’ ↑N

IC 712は、天の川銀河からの距離約4億5千万光年の距離にあるAbell 1314銀河団の中心銀河とされています。Abell 1314は、エーベルの分類では、視野角約80分、リッチネスクラス0(3番目に明るい銀河+2等級内の銀河数30-49個)、中心となる明かな銀河は存在せず、数個の楕円銀河が存在するとなっています。

SimbadのACO 1314に含まれる銀河は8個で、IC 711は含まれません。周辺にある銀河でもPGC 35762は、z=0.02845となっているのでIC 712と同じグループには入らないでしょう。この視野には3つのさらに遠い銀河団が重なって見えているので、メンバーを同定するのは難しい領域です。


PGC 35684 (UGC 6541, Mrk 178・銀河)光度:14.5 mag, 直径:1.2′, 分類:Irr+Comp;WR HII,  z 0.000833, Abell 1314, RA11h33m28.90s DEC +49d14m14.0s (J2000.0)
視野角: 約8′ x 5’ ↑N

画像の右上方には、真っ青な銀河 PGC 35684が見え、さらに北側にPGC 35674が見えています。PGC 35684は、マルカリアン銀河Mrk 178の番号を持つM81グループの青色矮小銀河です。大きなHII領域と多数のウォルフライエ星が存在していることがわかっています。距離は約2,000万光年です。PGC 35674は距離約1億5千万光年の渦巻銀河です。どちらも古い資料ではAbell 1314に含まれますが、もちろん真のメンバーではありません。


おおぐま座γ星付近  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/20, +0.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

カテゴリー: NGC天体, 星空観望 | タグ: , , , , | コメントをどうぞ