Sh 2-11(NGC 6357・散光星雲・さそり座)


Sh 2-11 (NGC 6357Diffuse NebulaScorpius), Mag–mag, Size: 120′, Class: HII, RA 17h26m30.0s DEC -34d12m00s (J2000.0)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 45=23m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/25, 02h 09m, +0.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 77 ′ x 51 ′ ↑ N


Sh 2-11 (NGC 6357Diffuse NebulaScorpius) and its surroundings.
TS FSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70 (modification)
HEUIB-II, ISO3200, 90s x 16= 24m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/25, 02h 09m, +0.0, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 4.2° x 2.8° ↑NWide field camera

Sh 2-11(NGC 6357)は、日本では彼岸花星雲の愛称を持つ明るいHII領域で、非常に若く大質量の散開星団を内包する星形成領域です。これらの散開星団は周囲の巨大分子雲と強い相互作用を起こし大質量星が生まれています。Sh 2-11(NGC 6357)までの距離は1.7kpcと推定されており、これは見かけ上近くにあるSh 2-8(NGC 6334)と実際にも近い距離にあることを示しています。

下図はMASSI F.(2015 A&A)らによるNGC 6357の広域概念図です。星雲は大きな殻(シェル)構造と3つの空洞構造(CS)からなり、明るいHII領域の中には対応する散開星団が存在し、最も明るい中心領域にはPismis 24と呼ばれる非常に若い散開星団があることがわかります。


NGC 6357のDSS red画像による広域概念図。
主な構造には印とラベルが付けられています。白い星マークは3つの既知の散開星団の位置を示しています。星雲までの距離を1.7 kpc と仮定してスケールを入れてあります。(Young open clusters in the Galactic star forming region NGC 6357. MASSI F., GIANNETTI A., DI CARLO E.et. al. 2015 A&A、Fig 1より)


Pismis 24散開星団  12′ x 8′

MASSI F.(2015 A&A)によると、3 つの大きな若い散開星団の中で最も大きく明るい Pismis 24 は、数千の恒星からなる非常に若い(1万年未満~3万年)散開星団であることがわかりました。また、Pismis 24は、いくつかの異なるサブクラスターに細分化することができるようです。そのうちの1つにはこの領域内の大質量星のほとんどすべてが含まれていることがわかりました。としています。


さそり座 尾部 Sh 2-11(NGC 6357) 付近 ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/25, +0.0, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

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Sh 2-8(NGC 6334・散光星雲・さそり座)


Sh 2-8 (NGC 6334・Diffuse Nebula・Scorpius), Mag:–mag, Size: 120′, Class: HII, RA 17h20m50.9s DEC -36d06m54s (J2000.0)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 45=23m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/23, 02h 17m, +1.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 77 ′ x 51 ′ ↑ N


Sh 2-8 (NGC 6334・Diffuse Nebula・Scorpius) and its surroundings.
TS FSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70 (modification)、HEUIB-II, ISO3200, 90s x 16= 24m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/23, 02h 17m, +1.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: :4.2° x 2.8° ↑N(Wide field camera)

Sh 2-8(NGC 6334)は、猫の足跡(キャッツポー)星雲という愛称を持つ明るいHII領域です。シャープレスカタログではこの領域をざっくりとSh 2-8としてまとめていますが、実際には複数のHII領域の複合体です。可視光で見たときには、明るいHII領域はGum 61, Gum 62, Gum 64b,Gum 64aと隣接するGum 63の5つの領域に分けられるように見えます。GumもShも1950年代の可視光での電離星雲カタログなのでアマチュアには便利ですが、近年学術的に使用されることはなくこの領域を大まかに指すときはNGC 6334が使われています。


Sh 2-8のGum カタログでの星雲番号

電離星雲複合体NGC 6334は、太陽系からの距離約1.62kpc、質量は約105M⊙とされます。その中心部Gum64bからGum64aにかけては、濃密な分子ガスの尾根に沿って複数の明瞭な活動的スポットが存在しています。これらの星雲は、電波や赤外線による大規模な調査により、非常に若い星雲であることが確認されています (Schraml & Mezger 1969; McBreen et al. 1979)。


さそり座 尾部 Sh 2-11(NGC 6357) 付近 ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/25, +0.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

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Sh 2-5, NGC 6337(散光星雲・惑星状星雲・さそり座)


Sh 2-5(Diffuse Nebula・Scorpius, Mag:–mag, Size: 100′, Class: HII, RA 17h20m13.0s DEC -38d29m03s (J2000.0)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 32=16m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/06/16, 22h 18m, +14.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 77 ′ x 51 ′ ↑ N


Sh 2-5(Diffuse Nebula・Scorpiusand its surroundings.
TS FSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70 (modification)、HEUIB-II, ISO3200, 90s x 12= 18m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/05/29, 00h 57m, +8.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: :4.2° x 2.8° ↑N(Wide field camera)

この大きな散光星雲は、ウォルフーライエ星 WR 89と同じ方向にあります。赤外線画像から、Sh 2-5は、ハヴレン・モファット星団1(Havlen-Moffat 1)によって電離された巨大な泡の中にあることがわかりました。 この星団は200万年から400万年前のもので、ウウォルフーライエ星WR87とWR89、そしていくつかのO型星が含まれています。距離的にはケンタウルス腕の中にあると考えられています。(http://galaxymap.org/cat/view/sharpless/5)

SHS – digitized H-alpha photographic survey でこの周辺のHII領域画像を見てみると、Sh 2-5は、南のHavlen-Moffat 1を含む部分と、北端にある6.4等の恒星HD 157038(Blue supergiant star)の南に広がる部分の2つの領域に分けられそうです。もし、HD157038が北側の星雲の電離星だとすると、2つの領域は空間的には離れた関連しないHII領域ということになるでしょう。


NGC 6337 (Planetary Nebula・Scorpius), Mag: 12.0mag, Size: 0.78′, Class: PN, RA 17h22m15.66s DEC -38d29m03.5s (J2000.0)

2つの星雲に関連はおそらくないのでしょうがSh 2-5の中には丸く目立つ惑星状星雲NGC 6337があります。NGC 6337の中心星は近接二重連星で、周期0.1734742日で回転しているとされます。(Fich, Michel, 1990 AJ)

 


さそり座尾部 ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(60mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/06/16, +14.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

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Sh 2-3(散光星雲・さそり座)


Sh 2-3(Diffuse Nebula・Scorpius), Mag:–mag, Size: 12′, Class: HII, RA 17h12m24s DEC -38d28m00s (J2000.0)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 40=20m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/23, 01h 49m, +1.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 77 ′ x 51 ′ ↑ N


Sh 2-3(Diffuse Nebula・Scorpius)and its surroundings.
TS FSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70 (modification)、HEUIB-II, ISO3200, 90s x 12= 18m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/23, 01h 49m, +1.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: :4.2° x 2.8° ↑N(Wide field camera)

Sh 2-3は、さそり座の尾部にある明るいHII領域です。別のカタログではGUM 58、RCW 120という番号が与えられています(少々ややこしい)。望遠鏡の視野中央に導入できなかった(眠くて確認しなかった)ために中央から外れてしまいました。自動補正機能が欲しいです。

この星雲は、星形成領域としてよく研究されているHII領域です。星雲の内外ではたくさんの主系列前の若い恒星が発見されていて、活発な星形成が進行中の星雲です。


さそり座尾部 ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(60mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/06/16, +14.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

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Sh 2-2(散光星雲・さそり座)


Sh 2-2(Diffuse Nebula・Scorpius), Mag:–mag, Size: 60′, Class: HII, RA 17h04m06s DEC -38d08m00s (J2000.0)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 36=18m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/05/29, 00h 28m, +8.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 77 ′ x 51 ′ ↑ N


Sh 2-2(Diffuse Nebula・Scorpius)and its surroundings.
TS FSQ85ED(320mm f3.8), Pentax K-70 (modification)、HEUIB-II, ISO3200, 90s x 16= 24m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/05/29, 00h 28m, +8.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: :4.2° x 2.8° ↑N(Wide field camera)

Sh 2-2は、さそり座の尻尾近くにある電離星雲(HII領域)です。シャープレスのカタログではNGC 6281のすぐ西を中心とする約60分の領域を指しますが、西側に隣接して明るく大きいHII領域(おそらく無名)が存在しています。上の写真ではそれを含めてマークしてあります。この領域は天の川と重なるためにシャープレスカタログでは見落とされたHII領域でしょう。

Sh 2-2を電離発光させている恒星は、NGC 6281の右上に見えるSco OB1から来た疾走星HD 153919とされています。(galaxymap.org)が、隣接する星雲を含めた広がりを考えるとその中心にあるO8.5III星HD 153426である可能性も大きいと思われます。


SHS – digitized H-alpha photographic survey でこの周辺のHII領域画像を見ると、Sh 2-2を取り囲むように円形に広がったHII領域が見えてきます。もしかしたら、これは超新星残骸かもしれません。


さそり座尾部 ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(60mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 16=24分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/06/16, +14.0℃, 東御市・観測所 ↑N

ようやく夏の領域に入り画面がカラフルになりました。地平線近くには盆地を覆う霧が発生していたので高度の低い部分はその影響を受けたようです、残念。

 

 

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NGC 5859, NGC 5857, IC 1096, IC 1097(銀河・うしかい座)


NGC 5859, NGC 5857(Galaxy・Bootes)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=11m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/23, 00h 15m, +1.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N


NGC 5859(銀河)光度:13.3 mag, 直径:2.9′ x 0.9′, 分類:SB(s)bc,  z 0.015891, LGG 394, RA 15h07m34.74s DEC +19d34m56.3s (J2000.0)

NGC 5857(銀河)光度:13.9 mag, 直径:1.2′ x 0.6′, 分類:SB(s)b,  z 0.015901, LGG 394, RA 15h07m27.31s DEC +19d35m51.5s (J2000.0)
視野角: 8′ x 5′ ↑N

画像左の大きな銀河がNGC 5859, 右の小さな銀河がNGC 5857です。天の川銀河から約2億光年の距離にあり、SimbadではNGC 5859はライナータイプのNGC 5857はセイファート2タイプの活動銀河核を持つとされます。

赤方偏移の値だけを見ると2つの銀河は空間的にも近い位置にあり物理的な干渉も疑われますが、光学的な外観には目立った干渉の証拠は見えません。これは、NGC 5859の赤方偏移値の計測だけが誤差が大きく平均した値がたまたまNGC 5857に近かった可能性があるようです。(https://images.mantrapskies.com/catalog/NGC/NGC5857-NGC5859/index.htm) 実際には離れた位置にある非干渉の銀河ペアなのかもしれません。

NGC 5857 では、SN 1950HとSN 1955Mの2つの超新星が発見されています。


MLCG 0619(小銀河団)光度:– mag, 直径:–, 分類:Compact Group of Galaxies,  銀河数:3 , z 0.020480, RA 15h08m28s DEC +19d08.6m (J2000.0)

IC 1096(銀河)光度:15.6 mag, 直径:0.6′ x 0.4′, 分類:Sb HII ,  z 0.020500, RA 15h08m21.574s DEC +19d11m31.61s (J2000.0)

IC 1097(銀河)光度:14.8 mag, 直径:1.1′ x 0.4′, 分類:Sa AGN ,  z 0.020477, RA 15h08m31.302s DEC +19d11m03.63s (J2000.0)
視野角: 12′ x 8′ ↑N

MLCG 0619は、NGC 5859の広域画像の視野外ですが南30分ほどの位置にある距離約2.7億光年の小銀河団です。画像に番号を入れた3個の銀河がこのグループに含まれるとされますが、周囲に見えている赤方偏移値の測定されていない小銀河もおそらく同じグループに所属しているのでしょう。

グループの銀河PGC 54050では、20.2等の超新星 SN1950Iが発見されています。発見光度の低さから考えると普通の超新星ではなかったのかもしれません。

2020年春の銀河巡りはここまでです。

 

 

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NGC 5600(銀河・うしかい座)


NGC 5600(Galaxy・Bootes)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=11m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/22, 23h 59m, +1.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N


NGC 5600(銀河)光度:12.7 mag, 直径:1.4′ x 1.4′, 分類:Sc pec HII,  z 0.007735, RA 14h23m49.519s DEC +14d38m19.57s (J2000.0)
視野角: 8′ x 5′ ↑N

NGC 5600は地球からの距離約1.1億光年の小さいけれど良く輝く渦状銀河です。渦状銀河といっても画像からわかるように大きく発達した北側の腕、良く輝く活性銀河核、点在する大きなHII領域など分類に pecがついているように普通の渦状銀河ではありません。

Simbadでは、Galaxy in Group of Galaxies とされ、見かけの位置は遠く離れたNGC 5587、UGC 9206と小グループ([T2015] nest 101375)を形成しているとされています。が、NGC 5600までの距離推定値は、37.5Mpc 〜 106.0Mpcとなぜか(活性銀河核の影響?)とても誤差が大きく、真にグループのメンバーであるとは断定できないでしょう。

 

 

 

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NGC 5490, IC 983, IC 982(銀河・うしかい座)


NGC 5490, IC 983, IC 982(Galaxy・Bootes)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=11m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/04/22, 23h 39m, +1.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N


NGC 5490(銀河)光度:12.9g mag, 直径:1.7′ x 1.1′, 分類:E,  z 0.016195, LGG 376, RA 14h09m57.295s DEC +17d32m43.98s (J2000.0)

NGC 5490C(ARP 079・銀河)光度:14.7B mag, 直径:1.2′ x 0.8′, 分類:SB(s)bc,  z 0.018226, RA 14h10m06.908s DEC +17d36m56.73s (J2000.0)
視野角: 12′ x 8′ ↑N

NGC 5490は地球からの距離約2億光年の楕円銀河です。電波でのジェットが見つかっている電波銀河で、超新星は2個SN 1997cnとSN 2015boが発見されています。周囲に点在する小銀河は距離が少し離れていて同じグループには所属しないことになっています。

NGC 5490Cは、ARP 079 「表面輝度の高い伴星雲を伴う銀河」に分類されています。が、そのような伴星雲は残念ながら見当たらないようです。超新星SN 2003aqが発見されています。銀河グループには分類されていませんが、PGC 50572(NGC 5490B)など周囲の小銀河と赤方偏移値は近い値なのでそれらと小グループを形成しているようです。


IC 983(ARP 117・銀河)光度:12.5 mag, 直径:5.4′ x 4.7′, 分類:SB(r)bc,  z 0.018156, RA 14h10m04.374s DEC +17d44m01.85s (J2000.0)

IC 982(ARP 117・銀河)光度:14.0 mag, 直径:1.3′ x 1.3′, 分類:SA0+,  z 0.018213, LGG 376, RA 14h09m59.09s DEC +17d41m46.0s (J2000.0)
視野角: 8′ x 5′ ↑N

画像上部の大きな棒渦状銀河がIC 983、右下の小さな銀河がIC 982です。2つの銀河は実際にも接近していて重力干渉を起こしていることが画像からもわかります。Arp カタログの番号は、ARP 117番(摂動銀河)です。LGG カタログでは、IC 982だけがNGC 5490と同じLGG 376グループに所属するようですが、IC 983も赤方偏移値などから同じグループでまちがいないでしょう。

IC 983は、見かけの大きさが5’ほどもあるので、距離2億光年とすると実物は超巨大な棒渦状銀河です。超新星は2個SN 2005IとSN 2016ccmが発見されています。


PGC 50657(UGC 9078・銀河)光度:14.1 mag, 直径:1.5′ x 1.1′, 分類:(R’)SB(s)a,  z 0.015808, LGG 376, RA 14h11m17.862s DEC +17d30m23.22s (J2000.0)
視野角: 8′ x 5′ ↑N

広域画像では左下に見えているPGC 50657銀河です。LGG 376グループに所属しNGC 5490、IC 982と同じグループとされています。

 

 

 

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M 101(NGC 5457・銀河・おおぐま座)


M 101 (NGC 5457・Galaxy・Ursa Major)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 120=68m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/02/24+03/21+04/25, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N


M 101 (NGC 5457)
, 光度:8.3 mag, 直径:28.8′ x  26.9′, 分類:SAB(rs)cd HII , z 0.000804, LGG 371, RA 14h 03m 12.5441s  DEC +54d 20m 56.220s (J2000.0)
視野角: 19′ x 13′ ↑N

今シーズンのM 101は、Hα強調フィルターで撮影した3日分の画像を合成して合計68分露出相当になっています。光学系の調整(接眼部の光軸)と30秒露出 x 120コマの画像からシーイングの悪いコマを極力排除した効果でいつもよりは淡い構造が見えると共に解像度も上がったようです。
撮影を分割して合成すると、天体高度の高い位置で撮影したものだけで合成できシンチレーションの影響を受けにくくなります。そのかわり対象天体の位置をなるべく正確に視野に合わせておかないと合成が上手くいきません。特にニュートン式反射用フラットナーは曲者で像面は平坦ですが、歪曲収差があるので対象がずれていると、中心で合わせても周辺では画像がずれてしまいます(視野回転では補正できません)。今回は左上の視野が少しずれています、次回からは注意して撮像することとしましょう。


左:THE H II REGIONS OF M101. I. AN ATLAS OF 1264 EMISSION REGIONS  より
右:今回撮像画像の同領域部


SDSS9 のカラー画像

THE H II REGIONS OF M101. I. AN ATLAS OF 1264 EMISSION REGIONS. (Paul W. Hodge, ASJ 73:661-670, 1990 August. )に掲載されたM101のHII領域図と今回撮影画像とを比較してみました。1990年に発表されたM101のHII領域図は、キットピーク天文台の2.1mと0.9m望遠鏡と当時最新のCCDとI.I.光電子倍増管の組み合わせでそれまでの約3倍のHII領域1264個を検出したとするものです。これと今回の画像の同視野を比較すると、HII領域図に掲載されているHII領域はすべて確認できます。可視光領域画像の観測では0.3m+市販デジタルカメラでも2.1m+30年前の最新機材なみの観測はできるということでしょう。
同じ領域を最新SDSS9のカラー画像と比較すると、解像度はまったく歯が立ちませんが淡く広がった対象は互角かそれ以上に検出可能なようです。

市販のデジタルカメラの性能はここ10年で急激に上がってきており、可視光領域の画像を対象とするものであれば、プロの少し古い機材を凌駕する性能となっています。30年前はまったく比較にならなかったプロとアマの機材性能の差は、地上からの可視光画像を対象とする分野ではデジタル機材の進歩でかなり近づいているともいえるようです。もっとも使う側にそのような意識がなければ宝の持ち腐れではありますが。米マックスプランク研究所は、これらの点に注目してより淡い矮小銀河の抽出や銀河の合併痕の研究にアマチュアと連携して成果を上げています。

この銀河本体の解説などは、過去の投稿を参照して下さい。

2020年の記事投稿はここまでです。このブログに読者?がいるのかどうかはわかりませんが、今年一年おつきあいいただきありがとうございました。来年もよろしくおつきあい下さい。


おおぐま座 M101周辺  ファインディングチャート
Tamron SP 70-200mm(85mm f4), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/05/04, +7℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

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NGC 5584(銀河・おとめ座)


NGC 5584(Galaxy・Virgo)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=11m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/19, 02h 04m, +2.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N


NGC 5584(銀河)光度:13.3g mag, 直径:2.5′ x 1.6′, 分類:SAB(rs)cd,  z 0.005464, RA 14h22m23.767s DEC -00d23m15.61s (J2000.0)
視野角: 12′ x 8′ ↑N

NGC 5584は、約7,200万光年の距離にある棒渦状銀河です。腕は青白く赤いHII領域、青白い星団雲が見えており活性の高そうな様子がうかがえます。

この銀河では、Ic型の超新星 SN 1996aqとIa 型超新星SN 2007afが発見されています。幸いなことに比較的近い距離にある活性の高いフェースオンの銀河であるため、ハッブル宇宙望遠鏡で多数のケフェイド変光星も検出できる銀河でした。この銀河で約250個のケフェイド変光星を検出しそこから求められた銀河までの距離を使用して、超新星を使った距離推定の校正が行われました。


おとめ座、南東部  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/19, +2.0℃, 東御市・観測所 ↑N

2020年「おとめ座の銀河」の項目終了。

 

 

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NGC 5493(銀河・おとめ座)


NGC 5493(Galaxy・Virgo)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=11m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/19, 01h 49m, +2.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N


NGC 5493(銀河)光度:12.3 mag, 直径:1.6′ x 1.3′, 分類:S0 pec sp,  z 0.008889, LGG 374, RA 14h11m29.38s DEC -05d02m37.0s (J2000.0)
視野角: 12′ x 8′ ↑N

NGC 5493は、約1億3千万光年の距離にあるレンズ状銀河?です。?がつくのは、NEDの分類にpecがついているように、レンズ状銀河と楕円銀河の中間的な形状をしているためで、このような銀河を楕円銀河Eとレンズ状銀河S0の中間的な存在としてESと分類する場合もあります。楕円銀河とレンズ状銀河の本質的な違いは曖昧になってきており2つの銀河の形態的な分類はあまり意味をなさなくなっているようです。

さて、この銀河は楕円銀河のハローの中にレンズ状銀河が見えているような姿をしていますが、詳しく見ると楕円銀河のハローは一様ではなく中心付近にレンズ状銀河のディスクを垂直に貫くような構造があるように見えます。もう少し詳しく観測できると面白そうなのですが、遠方で小さな対象のため難しそうです。

LGG カタログでは、LGG 374に含まれ、NGC 5426, NGC 5427, NGC 5468, NGC 5472とグループを組むとされています。

この銀河では、Ia型の超新星 SN 1990Mが発見されています。


おとめ座、南東部  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/19, +2.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

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NGC 5334(銀河・おとめ座)


NGC 5334(IC 4338・Galaxy・Virgo)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=11m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/19, 01h 34m, +2.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N


NGC 5334(IC 4338・銀河)光度:11.9B mag, 直径:4.2′ x 3.0′, 分類:SB(rs)c:,  z 0.004623, RA 13h52m54.459s DEC -01d06m52.68s (J2000.0)
視野角: 12′ x 8′ ↑N

NGC 5334は、フェースオンの棒渦状低表面輝度銀河です。確かに周囲の銀河に比べると暗くて淡いのですが、その腕の中にはいくつかのHII領域が発見されていて不活性な銀河というわけではないようです。NGC 5334=IC 4338で、二重に登録されたため2つの呼称を持っています。

この銀河の腕の中に超新星 SN 2003gm が17等で発見されています。II型超新星に似たスペクトルを示しましたが、絶対等級が-14.4等と暗かったのとスペクトルの特徴から、超新星ではなくηCar星(りゅうこつ座エータ星)のような超巨星の表面爆発・擬似的超新星だったのだろうとされています。(PATAT F. IAUC 2003)

表面輝度も超新星も暗く、登録ミスで2つの名前を持つ銀河。不運も重なると記憶に残る印象を与えてくれるものです。


おとめ座、南東部  ファインディングチャート
Pentax PDA50-135mmf2.8(70mm f4.5), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/19, +2.0℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

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NGC 5170(銀河・おとめ座)


NGC 5170(Galaxy・Virgo)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=11m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/19, 01h 18m, +2.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N


NGC 5170(銀河)光度:12.4 mag, 直径:9.9′ x 1.2′, 分類:SA(s)c: sp,  z 0.005006, RA 13h29m48.788s DEC -17d57m59.11s (J2000.0)
視野角: 12′ x 8′ ↑N

NGC 5170は、距離およそ8,000万光年の比較的に形が整ったエッジオン銀河です。その外観からは大きな重力干渉などを受けているようには見えません。Simbad の分類ではGalaxy in Pair of Galaxiesとされていて、約30分ほど北にある14等の銀河PGC 47289(視野外)とペアを組むとされています。

この銀河の北3分の位置には、淡く拡散した17等の矮小銀河PGC47400が見えていますが、赤方偏移のデータが無く関連は不明です。南5分ほどの位置にもやや明るいPGC 873674が見えています、こちらはNEDにもSimbadにも記載がなくやはり関連は不明です。

ハッブル宇宙望遠鏡の広角カメラBバンドとIバンドでこの銀河の球状星団を検出した研究(A blue tilt in the globular cluster system of the Milky Way-like galaxy NGC 5170.  FORBES D.A. 2010MNRAS.403..429F )によれば、142個の球状星団と思われる天体が発見され、推定の総数量は600+/-100となり天の川銀河よりはるかに多いとしています。


おとめ座、からす座、うみへび座、境界付近の銀河群  ファインディングチャート
Tamron SP 70-200mm(70mm f4), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/03/09, -3℃, 東御市・観測所 ↑N

12等以上の銀河をマークしています。おとめ座南部、うみへび座、からす座との境界付近、おとめ座銀河団の拡張領域おとめ座II銀河団の銀河とその他(所属不明、住所不定)の銀河が混在しています。

 

 

 

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NGC 4900(銀河・おとめ座)


NGC 4900(Galaxy・Virgo)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=11m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/03/21, 00h 04m, +0.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N


NGC 4900(銀河)光度:12.2g mag, 直径:1.9′ x 1.7′, 分類:SB(rs)c;WR HII,  z 0.003201, LGG 315, RA 13h00m39.249s DEC +02d30m02.61s (J2000.0)
視野角: 8′ x 5′ ↑N

NGC 4900は、腕のはっきりしない棒渦状銀河で、核の両端に見える棒構造と銀河の中に多数見える青白い星形成領域が特徴です。CANTIN S.(2010 MNR)らによる「棒状渦巻銀河NGC4900の中心領域における恒星の集団。」によると、核の両端にある大きな棒構造に沿って若い星形成領域が多数見られ、バーストを起こしている星形成領域の年齢は、550万年〜800万年で金属量は太陽の2倍かそれに近い。その他様々な観測からの銀河の中心領域の星形成は、ごく一般的な銀河の進化の結果である。としています。

見た目の形態はごく一般的ではありませんが・・・

この銀河では過去にIIP型超新星、SN 1999brが発見されています。この超新星はタイプIIのスペクトルタイプでしたが、光度は17.5等と暗く一般的な超新星とは異なるものでした。


おとめ座B群銀河団(M49)の南  ファインディングチャート
Tamron SP 70-200mm(85mm f4), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/05/03, +6℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

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NGC 4775, NGC 4786(銀河・おとめ座)


NGC 4775, NGC 4786(Galaxy・Virgo)
BKP300(1500mm f5), MPCC-MK3, HEUIB-II, Sony α7s (modification), ISO12800, 30s x 23=11m, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2020/02/21, 02h 06m, -4.0℃, Tomi City / Observatory, Viewing angle: 52 ′ x 35 ′ ↑ N


NGC 4775(銀河)光度:12.2 mag, 直径:2.1′ x 2.0′, 分類:SA(s)d,  z 0.005230, LGG 314, RA 12h53m45.70s DEC -06d37m19.8s (J2000.0)
視野角: 8′ x 5′ ↑N

NGC 4775は多数の星団雲を持つ青白い銀河です。核はその中心からは外れ、歪んだ渦巻腕を持っています。その外観からは何らかの潮汐力を受けた可能性がありそうですが要因となる銀河は周囲には見当たりません。LGG 314銀河グループに属し距離は約9,000万光年とされています。


NGC 4786
(銀河)
光度:12.4B mag, 直径:1.6′ x 1.3′, 分類:E+ pec,  z 0.015501, RA 12h54m32.42s DEC -06d51m33.9s (J2000.0)
視野角: 8′ x 5′ ↑N

NGC 4786は、周囲のおとめ座銀河団との銀河とは関連しない、赤方偏移の値からの推定で2億2000万光年の彼方にある実体は超巨大な楕円銀河です。形態分類では pec が付加されています。一見普通の楕円銀河に見えますが、この銀河はcD銀河とされ巨大で拡散したハローが通常の楕円銀河とは異なる、とされています。私の小さな望遠鏡ではその違いはさっぱりわかりませんが、超新星SN 2002cfが発見されていることからも普通の楕円銀河ではないのでしょう。


おとめ座II銀河グループ付近  ファインディングチャート
Tamron SP 70-200mm(85mm f4), Pentax K5IIS(ノーマル), ISO3200, 90s x 8=12分, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII, 2019/04/03, -3℃, 東御市・観測所 ↑N

 

 

 

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