雷の発する超長波(VLF)・極超長波(ELF)

流星(火球)用のELF/VLF受信機はベランダにアンテナ(コンデンサー型)を立てて受信を始めているが、なかなか肝心の火球が現れず電波と可視画像の同定はできていない。まあ、梅雨明けペルセウス群あたりが本番になるだろう。その前に性能試験をかねて、雷の空電をとらえてみた。

雷の画像と電磁波を同時に記録した動画(MP4フォーマット)
観測当日、2011/6/30 は上空に寒気が入り不安定となり、当地(神奈川)では午後より雷雲が発生、雷雨となる。その間キャプチャーカメラとVLF受信機で雷を記録してみた。当日は落雷もあったため強烈な雷による電磁波と光を数十組、同時に捕らえることができた。雷による空電らしきものは、快晴の日でも遠方より常時やってきておりVLF受信機では、カリカリ、ブツブツというノイズ音として捕らえることができる。VLFの電波だけで流星を捕らえようとすると、雷空電によるものと流星による物を通常区別することができない。しかし、Colin PriceらはVLF・ELF帯で雷のスペクトルと流星のスペクトルには明確な違いがある(下図2a, 2b)、また継続時間にも大きな違いがある(雷は短い)として、1999のしし座流星群の突発出現をVLF/ELFで観測し、眼視観測による出現数との比較等を行っている。ELF/VLF RADIATION PRODUCED BY THE 1999 LEONID METEORS  4/June/2000

雷の画像と電波を同時に捕らえればほぼまちがいなくその電波は、雷からの物と考えて良いだろう。2011/6/30に観測した電磁波をスペクトラムアナライザーで分析してみた。分析したのは前出動画のデータである。下図ソノグラム中のAは落雷を伴う強烈な雷電波、Bは雲間放電と思われる比較的弱い電波。

A, Bそれぞれのスペクトルを見てみると、BはColin Priceらが言うところの雷のスペクトルに特長はよく似ている。しかしAの落雷を伴うような強い電磁波を発する物は、スペクトルの形がまったく異なる。2KHz以下1.2KHz付近に強度のピークがあり、特長はむしろ流星起源と言われるスペクトルと良く一致する。(この受信機は500HZ以下をカットするフィルター回路を内蔵している)

すべて(多分100件以上捕らえている)を分析したわけではないが、雷からのVLF/ELF帯の電波スペクトルは2パターンあるようで、その一つは流星のパターンと区別がつかないと思われる。Colin Priceらが唱えた、典型的スペクトルというのはどうも再検証の必要がありそうだ。

関連する記事
☆流星の音・電磁波音に関する考察とサンプル音
☆超長波(VLF)とループアンテナ
☆雷の発する超長波(VLF)・極超長波(ELF)
☆ペルセウス座流星群2011・超長波(ELF,VLF)での観測

広告
カテゴリー: 星空観望 パーマリンク

雷の発する超長波(VLF)・極超長波(ELF) への5件のフィードバック

  1. zhongye より:

    始めまして
    お隣さんにVLF/ELFに携わっている方が居たとは灯台元暗しでした。
    生活ノイズに対応できるELF/SLF帯用のアンテナを探しています。
    ・性能的にどうの様なレベルの物なのでしょうか。
    例えば、600Km離れた雷ノイズを捕らえられるとか。?
    ・ELF帯用のコンデンサーアンテナの構造・構成はどの様にしているのでしょうか。?

    宜しかったら教えて頂けますか。

    • orio より:

      こんにちは、
      Radio waves below 22KHz というHPを参考にしています。
      http://www.vlf.it/
      の中の下記製作記事の、アンテナ、受信機をほぼそのまま製作し使用しています。
      おどろくほど簡単な構造ですが、ループアンテナより確実に良い結果がでました。
      http://www.vlf.it/torsten/_B3CKS-ANTENNA.htm
      冬場は日本海側の300-400Km遠方のスプライトを伴う雷ノイズは明瞭に受信できます。それ以上離れた物は光学的に同定できないので、私のところではわかりません。

      • zhongye より:

        早速の対応有難うございます。
        Radio waves below 22KHz を参考との事、私も参考にしているHPです。
        コンデンサーアンテナの記事は確認していませんでしたので、早速確認してみます。
        当方は、地震による発震時の電磁波を追いかけております。
        此れまでに100件程の照合検証をしており、更なる成果にチャレンジする為に試行錯誤をしております。
        その中で、生活ノイズをどの様に逃げるかを考え、良いアンテナがないか探しているしだいです。
        雷のノイズは発震電磁波と層別する為に確認は致しておりますが、流星によるノイズは考慮しておりませんでした。
        流星は一瞬の信号なので此れまで無視してきておりました。
        今後参考にさせて頂きます。

  2. orio より:

    zhongyeさん、地震の電磁波、興味深いテーマですね。流星のFM波エコー(電離層からの反射)観測をしていると地震の直前に電離層が局地的に乱れる場合があるそうで、流星と地震、意外なところで繋がってるんですね。生活ノイズは頭の痛い問題で、私は1KHz以下はやむなくフィルターでカットしてます。私の目的では光学的にノイズを同定できるのでこのシステムでまあまあうまくいっているのかな?と思ってます。

    • zhongye より:

      orioさん、1Kz以下はカットとの事、生活ノイズ(50Hz、電化製品、車等)を避けるには山の中に逃げるしかないですが、無理なので思考錯誤しています。

      Vlf.itのアンテナの件、作成等は致しておりませんが、記事の内容は既に確認済みのアンテナでした。
      ループより調子がよいとの事、機会があったら試してみようと思います。

      当方は0~30Hz帯をメインに追いかけています。
      出来る限り自然な状態で受信したいので、フィルタ等は極力使用しない方法をと考えていますが・・・ 思う様な状況には行きません。
      スポット周波数でノイズを長期観測して地震予知を試みる方に向いていて、直接地震発震時の電磁波を追いかけている人はいないみたいで、試行錯誤しながら実施しています。

コメントを残す

コメントを投稿するには、以下のいずれかでログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中