NGC 2392(エスキモー星雲・惑星状星雲・ふたご座・スペクトル)


NGC2392(エスキモー星雲・惑星状星雲) 8.6mag 47″
1500mm f5, Pentax Q, ISO1600, 30s x 4, TS 160JP, temmaPC 50%拡大 2015/12/09

可視光で撮影すると毛皮のフードを被ったエスキモーの顔に見える、ということで命名された星雲です。発見者ハーシェルの分類では惑星状星雲に分類されています。太陽ほどの恒星が進化の末期を迎え、赤色巨星の時に外部に放出し取り残されたガスを、収縮して白色矮星になりかけている中心星の強い紫外線で電離発光させている姿です。

この手の惑星状星雲の進化は非常に早いようで、この星雲も形成し始めてから約1万年しかたっていません。我々の観測できる惑星状星雲が様々な形態であるのは、その時間進化が非常に早いのも要因の一つでしょう。

分光器を向けてもう少し詳しく見てみましょう。

NGC 2392のスペクトルと分析


NGC2392(エスキモー星雲・惑星状星雲)のスペクトル
BKP300(1500mm f5), Sony a7s(改造)、自作分光器(愛光者7号)、ISO25600, 30s x 12, 2017/11/19   長野県東御市・観測所

まずは、スリットを入れずに分光してみます。
NGC2392のスペクトル画像は、くし刺のお団子のような形に写りました。中心星は連続光で、星雲は星雲輝線で光っているのでこのような形になるわけです。詳しく見てみると赤い色の画像(主にHαの輝線でしょう)から、エスキモーのフードの赤は偏在してあるHα輝線で放射状であることがわかります。

緑の輝線(OIIIとHβ)が最も強くこの星雲が緑に見える主因です。OIIIは球形に一様な強さで分布していて偏りがないこと、複数の弱い青い成分も存在することがわかります。

次にスリット(約40μm)を入れて分光してみます。
限定された部分のみ光を通過させることで波長の分解能が上がり波長を特定しやすくなります。この画像を分析ソフトにかけます。


NGC2392星雲部分 生データの解析グラフ
星雲部分のスペクトル画像を分析してみます。2本のOIIIとHβの緑色の強度が圧倒的に強いことがわかります。青い色ではHγ、Hδ、そしてHe IIがあることがわかりました。He(ヘリウム)はM42の観測の時にはまったく存在しませんでした。生まれたての分子雲の中にある散光星雲と進化の末期にある惑星状星雲の成分の違いがわかります。

NGC2392中心星付近のスペクトル
中心星だけを輝線の光を引いてみてみます。白色矮性になりかけの恒星の色はF型星に近いように見えます。中心に見えている恒星状の部分は、中心星とその周囲にある殻構造の高温なガスのはずです。

 

 

 

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