NGC 5866(M102・銀河・りゅう座)

NGC5866-1604APSC
NGC5866(M102・銀河)9.90mag 6.5′ x 3.1’  Sa
BKP300 1500mm f5, MPCC-MK3,  Sony α7s(新改造)APS-Cクロップ
ISO12800, 30s x 12, TS-NJP, TemmaPC, α-SGRIII,  2016/04/12 東御市・観測所

NGC5866は、メシエのカタログにあるM102であろうと言われている銀河です。M102はメシエの弟子メシャンが1781年にカタログを発表、出版後その位置に該当する天体がなくM101と見間違えたとしたため存在がいったん否定されました。しかしメシエ天体リストはメシエの観測をメシャンが確認観測する(もしくは逆)ようにしていたため二人共にM101と見間違えたというのは考えにくく、観測天体の位置を間違って記載したのではないかとして、近傍のいくつかの銀河NGC 5866、NGC 5879(12.2等)、NGC 5907(11.3等)、NGC 5908(13.0等)がM102の候補とされてきました。最近の研究では、メシエの手書きの位置データなどからNGC5866(赤経値の記載ミス)で間違いないだろうとされています。(H. Frommert, 1995 to current. Messier 102. An article on the controversy.) 比較的明るい銀河ですからメシエもメシャンも十分観測可能だったはずの銀河です。

さて、この銀河にはもう一つ謎があります。レンズ状銀河として紹介されることの多いこの銀河ですが、拡大写真を見ればわかるようにはっきりした暗黒帯(ダストディスク)を見ることができます。しかし、レンズ状銀河は核近傍でのみダストが存在して暗黒帯は通常ありません。NGC5866はほぼ真横から銀河を見ているために渦状構造があるのかどうかがはっきりせず、特殊なレンズ状銀河なのかごく普通の渦状銀河なのか外観からは判断がつきません。そのため分類は「SO(レンズ状)もしくはSc(渦状)」と表記される場合も見かけます。メシエ天体なのか?分類はSOなのかScなのか?話題の多い銀河です。

NGC 5866は、NGC 5879, NGC 5907を含むNGC5866銀河グループに属します。

NGC5866-1604center
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