PENTAX K-30 絞り制御不良 修理方法


修理のため分解中のK-30様 ご近影

PENTAX K-30 不具合で真っ暗!、絞り制御が不具合になったPENTAX K-30、『真っ黒になったよ』 ペンタックス PENTAX K-30、「不具合」K-30の露出が不安定、【PENTAX K-30】撮った写真が真っ暗になる故障、k-30 絞り不良、etc…

ネットでググると2016年ごろからPENTAX K30/K50の絞り制御不良が原因と思われる不具合報告が沢山引っかかります。なんでそんなことを調べているのかって?はい、私のK-30もまったく同じ症状の故障を起こしていることに最近やっと(2018年9月)気がついたからです。

製造してから2-3年、まったく使用していなくてもというか使用しないほど起こりやすい故障のようです。皆様の嘆きのページを見ると保証期間が過ぎているのでRICHOの修理費は、13000円〜18000円ぐらいするとのこと。中古のボディーが買えちゃいますね。

なんとか自分で修理できないかと、こういう時の強い味方、 米国のペンタックスフォーラム(https://www.pentaxforums.com/forums)を捜していたら、いくつかありましたよ不具合原因と対策や修理方法などが。

その中で具体的でわかりやすいこの解説https://www.pentaxforums.com/forums/151-pentax-k-30-k-50/335887-k-30-k-50-aperture-control-problem-black-photo-repair-how-i-did.htmlを元に修理してみました。

結論から言うと、この方法で完璧(たぶん・・・)に直りました。不具合は完全に解消されて修理後、再発もしていません(今のところ・・・)。修理の難易度は中程度、カメラを分解した経験があれば大丈夫でしょう(おそらく・・・)。(あたりまえですが念のため、カメラの分解修理は自己責任でお願いします。)


私のカメラはK-30ですがK-50でも手順はほぼ同じです。


マウント内部にある絞り制御ピン、こいつがちゃんと動いてくれません。最初はレールの錆び劣化などでピンが動きにくくなっているのか?と推測して、シリコンオイルを微量塗るも全く効果無し。


原因はボディ内部にある絞り制御ユニットであることがネット情報でわかったのでボディを分解することに。

まずは底蓋から開けます、沢山ネジがありますが見えているものをすべて+精密ドライバーではずします。ネジは場所によって種類が異なりますので、ラベルをつけた小袋等に入れて分類しておくと便利です。


電池ボックの蓋の裏に2本、電池ボックスの底に軍艦部(カメラの上部カバーのこと)を固定する銀色の長いネジ1本がありますから忘れずに外しておきます。


底蓋が外れたらその中にある矢印のネジ(前面カバー固定ネジ)を外しておきます。


軍艦部のネジを外します。ストラップ金具のところに左右2本、接眼部の左右に2本、フラッシュカバーの中に3本あります。


前面カバーのネジはグリップのシボ皮の下にもありますので、シボ皮を剥ぎ取ります。両面テープで貼り付けてあるだけなので端からめくるように剥がすとすんなり剥がれます。ネジ2本を外します。


反対側の側面のゴムカバーも同じようにめくって外します。ネジ2本が見えてきますからこれを外します。フラッシュボタン下のネジも忘れずに外します。


1. 底ブタ、2. 軍艦部(上部カバー)、3. 前面カバー の順番で外すことができるようになります。組立の時は逆の順番で組み立てます。

軍艦部(上部カバー)は、電子部品の結線、リボンケーブルで本体とつながれたままなので取扱は慎重に行いましょう。コンデンサ回りは触ってはいけません、感電します。


分解はここまで。これで、絞り制御ユニットにアクセスできます。


矢印が絞り制御不具合の犯人(ブレーキ電磁石ユニット)です。


犯人(ブレーキ電磁石ユニット)の拡大写真
A馬蹄形連動金具、Bネオジム磁石、C固定ネジ
絞り制御ユニットの中のブレーキ電磁石ユニットは、絞り機構のブレーキON、OFFを制御しています。これが正しく働いていないために絞り制御にブレーキがかからず最大絞りのまま撮影されてしまうので真っ暗写真になってしまうというわけなのでした。

絞り制御のメカニズム
1. シャッターが押される 2.最大絞りまで絞り込まれる 3. エンコーダーホイールが回転して指定絞り値に必要な回転数だけギヤを動かす 4.指定絞り値となったところでブレーキユニットのコイルに電流パルスを送る 5. コイルの磁界でネオジム磁石Bで固定されていた馬蹄形連動金具Aが解放され絞りブレーキがかかる 6.ギヤが止まり指定絞りでシャッターユニットが稼働する。7.露出が終わりパルスが切れると再び連動金具Aはネオジム磁石に吸い付けられブレーキは解放される 8.絞りは開放絞りまで戻る。


主犯 馬蹄形連動金具A
犯人グループ(ブレーキ電磁石ユニット)の中の主犯はこの馬蹄形連動金具Aです。固定ネジCを弛めてユニットを取り外し馬蹄形連動金具Aを電磁石から引き抜くと外れます。強いネオジム磁石でくっついているので慎重に引き抜きます。

この金具が、ネオジム磁石の磁界に長期間さらされていることで磁気をおびてしまい、当初の力よりもより強く固定され、電磁石の力ではネオジム磁石から解放されないために絞りブレーキがかからないというのが原因でした。

解決方法
1. ブレーキ電磁石ユニット
を交換する。
このユニットは全く同じ形状のものがフィルム時代のカメラから使用されているらしく、ジャンクのペンタックスカメラから借用して交換するとうまく動くらしいです。電磁石のプラ部品が白いものは日本製なので安心とのこと。(緑色のものは中国製)

2. 馬蹄形金具Aの先端を削る。
馬蹄形連動金具Aの二本ある各々の先端4面をヤスリで削り、磁石と接触する面積を小さくすることで磁力で結合されている力を弱くします。

3.馬蹄形金具AのU字状溝に半田で薄膜を作る
U字状溝の底部分に半田などの非磁性体の物質でスペーサーをつけて馬蹄形金具Aと磁石との間にわずかな隙間を作ることで磁力の力を弱めます。

ペンタックスフォーラムによればいずれの方法でも成功している人がいるようです。私は3の方法でやってみました。


半田盛りすぎの図
半田をこのように盛ってヤスリで半田を削り込んで溝の深さを0.5mmほど浅くすると良いというのでやってみました。その結果は『真っ白になったよ』 ペンタックス PENTAX K-30でした。とほほ、溝が浅すぎて常時ブレーキONですべて開放で撮影されてしまうのでした。

0.5mmでは厚すぎてダメなので、ヤスリで少し削りこみながら何度も修正とテストを繰り返した結果、最終的には熱した半田ごてで均し厚さは多分0.2〜0.3mm前後(厚みのムラがあって正確にはわかりません)で上手くいくようになりました。この厚さは非常に微妙で個体差があるんでしょうね、0.2mmぐらいからはじめてだめだったらさらに盛っていく方が良いようです。

追記:私のK-30のように対処的方法で一時的には回復するような軽傷と思われる場合は、馬蹄形金具Aの2カ所の先端をほんのわずかヤスリがけするだけで良さそうです。その方が簡単だと思います。(再発の危険性はありますが)

この修正した金具を組み込んで、分解手順とは逆の手順でカメラを組み立てます。

結果、時間はかかりましたが、修理したK30は、完璧に動作するようになりました。

*分解しないで直す対処的方法
私のK30は比較的軽傷だったようで、以下の対処的な方法で一時的には使えてました。分解はできないなあ、という方はこちらの方法を試してみて下さい。

光学プレビューON
メニュー→ボタンカスタマイズ→RAW/Fix→光学プレビュー
と設定します。撮影前に1度RAW/Fixボタンを押して光学プレビューを実行しておきます。これだけで、あら不思議以降正常になります。ただし、次の電源オン時にはまた不具合が発生します。

おそらく、光学プレビューを実行では、実行時間の間ずっと電磁石ユニットに電流が流れ続けるので固着していた馬蹄形金具が開放されるためだと思われます。一度開放されると以降開放されやすくなるようです。(しばらく使わないとまた固着する)

連写モードで少し動かす
連写モードで動かすと不具合が解消されます。これも光学プレビューONと理由は同じで連続的に電磁ユニットに電流が流れ一度開放されると以降しばらくは開放されやすくなるからでしょう。でもこれもしばらく使わないとまた固着します。

単三電池ユニットで使用する
ネット情報では単三電池ユニットを使用すると不具合が解消されるという情報を見かけます。しかし、私のK30ではまったく効果無しでした。電池の種類によるのかもしれません。確かにソレノイドにかかる電圧が変化すれば電磁石の力は変化するでしょうから。

最後に
修理をしていると、へえ〜知らなかった!とか、そうだったのか!とかいうことにたくさん出会えました。デジタル一眼レフカメラの仕組みの理解も深くなりました。そして、なににもまして修理に成功した時の感動はひとしおでした。

こんな経験は、NIKONやCANONのような品質管理にうるさいカメラではとてもできまい!さすがPENTAX、RICHOと感心いたしました。(ウソ)

でも、やっぱりペンタックスのカメラがしっくりくるんだわな〜。なくならないでね、PENTAX・・・・。

*この記事に関する質問は受付を終了しましたので悪しからずご了承下さい。

 

 

 

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PENTAX K-30 絞り制御不良 修理方法 への2件のフィードバック

  1. こんばんわぁ、M高天文班OBのクリちゃんです。
    先日コメしたの消えてしまったのかしら、再度書き込みます。
    いつも記事興味深く読ませていただいてます^^
    精力的に小銀河撮られているのは流石ですねぇ。

    不具合の理由とこんな解決方法が有ったんですね(@@
    まぁあたしはペンタックス使ってませんけど^^;
    そうそう、先日やはりこの故障でお客様から修理2台預かりました。
    リコールしないのなら修理代を特別価格にしてほしいものですわ。

    • orio より:

      こんばんは、WordPressのスパムフィルターは強力すぎて勝手にコメントを消すことがあるようで申し訳ないです。Richoの修理代はちと高いですね、明らかに部品の耐久性に問題があるのだから、3000円ぐらいが妥当でしょうねえ。

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